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槇野知宏

Author:槇野知宏
宮崎県児湯郡生まれ。
宮崎県児湯郡在住。

「名探偵コナン」
「まじっく快斗」
「BLACK LAGOON」
「艦隊これくしょん」
「ファイアーエムブレム」シリーズ
「ペルソナ」シリーズ
(特に3と4)
「マクロスF」
「パワプロ」シリーズ
「田中芳樹」
「池波正太郎」
「司馬遼太郎」
「有川浩」
「TUBE」
「山本正之」
「NO-PLAN」
「クラシック」
「プロレス」
「中日ドラゴンズ」
を偏愛する会社員
その実態は、単なるオタク。

年を取る毎に深みにハマってますが、これも人生、問題ない、と開き直ってます(笑)

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2017/03/02 (Thu) 23:04
銀河探偵伝説―――アムリッツァ撤退戦の全て―――

 銀河帝国軍のジークフリード・キルヒアイス中将が率いる別働部隊によって後背を衝かれ、味方艦隊が総崩れになる光景をメインスクリーン越しに黙ったまま見つめている。
あらゆる状況を想定する事は人間には限界や不可能がある。完璧な人間なんて一人もいない、と今更ながら思い知らされた自由惑星同盟軍が誇る若き名将・工藤新一中将であった。

「味方は総崩れです」
「どうなさいますの、提督?」

 艦隊参謀長の白馬探准将と副参謀長の小泉紅子大佐の言葉を聞きながら司令官が答えたのは、ただ一言だった―――撤退はまだ早過ぎる、と。
新一は副官の毛利蘭大尉に第五艦隊司令官アレクサンドル・ビュコック中将へ通信回線を開くよう命じた。
その命令は実行されて、通信パネルにビュコックの姿が映し出される。齢(よわい)七〇になる老提督の顔には疲労の色が浮かんでいるが、眼光は闘志を失っていない。
 彼は第一三艦隊の中で戦闘行動に耐えられない艦艇、病院船、工作艦等の補助艦艇をビュコックの指揮下に入れて、一緒に撤退させて欲しい、と要請した。

『その件は了解した。新一たちは・・・まさか!?』
「ビュコック提督の予想通りです。オレが殿(しんがり)を務めますので、提督は各艦隊の命令系統を再編しつつ、イゼルローン要塞への撤退の指揮をお願いします」

 何か言おうとしたビュコックに対して新一は、自滅や玉砕はオレたちの趣味じゃないので、と言った。

『分かった、貴官たちに任せよう。みんな、死ぬんじゃないぞ』

 通信を終え、軽く息を吐いた新一に探が歩み寄って声を掛けた。

「では味方が安全な宙域まで離脱できるまで、僕たちで帝国軍を食い止めるしかないですね」
「それだから残ったんだよ」

 参謀長との会話を終えた新一は傍らで心配そうに自分を見つめてる蘭に、心配するな、と告げ、二人のオペレーターに声をかけた。

「鈴木大尉、桃井大尉。敵の攻撃が激しい部分はどの辺りだ?」

 新一の声に主任オペレーターの鈴木園子大尉と副オペレーターの桃井恵子大尉が各種戦術コンピュータ等で弾き出した結果を上官に報告する。

「敵艦隊は半包囲陣を敷こうと凹形陣に移行しつつあります」
「現在、帝国軍左翼部隊がイゼルローンへ後退する味方に猛攻を加えています」

 それを聞いた新一は頷くと更に命令を付け加えた。

「服部と黒羽に敵左翼部隊に猛攻を加えてイゼルローンへ撤退する味方の援護を実施。本隊と佐藤、高木両准将の部隊で敵中央、右翼部隊を牽制する。毛利大尉、回線を繋いでくれ」

 やがて通信パネルに四名の将官が映し出される。
一人は同盟軍内でも数少ない女性将官の中でただ一人の前線部隊指揮官であり、艦隊運用の達人、と言われる艦隊副司令官の佐藤美和子准将。
一人は美和子に次ぐ艦隊運用の手腕を持ち、第一三艦隊の艦隊防御指揮を任されている第一分艦隊司令の高木渉准将。
一人は第一三艦隊の中で最強の破壊力を持ち、ダイナミズムに富んだ用兵を得意とする第二分艦隊司令の服部平次准将。
一人は速攻やゲリラ戦術を主体とした用兵を得意とし“奇術師(マジシャン)”の異名を持つ第三分艦隊司令の黒羽快斗准将。

 新一は四名に状況等を手早く説明した。
同盟軍の双璧、と謳われる平次と快斗のコンビネーションで敵左翼部隊を翻弄しつつ、戦況の状態によっては逆攻勢を仕掛けて敵の動きを鈍らせる。
敵中央部隊と右翼部隊に対応するのは新一が直率する本隊と美和子、渉が率いる部隊で牽制が主任務であるが、敵の動向次第によっては任務も変化するであろう。
特に、同盟の双璧、と言われる平次と快斗に比べるのは酷ではあるが、美和子と渉のコンビは互いの欠点を補いながら、長時間の戦闘に耐えられる技術を持ち合わせていた。
 同盟軍宇宙艦隊の中で、最強、と謳われる第一三艦隊の強みは司令官である新一の戦術指揮能力の高さもそうだが、中級指揮官の技量も群を抜いて高いのである。
通信パネルに映っている四名の顔には絶望感の欠片など微塵も浮かんでいない。あるのは、やられた分は倍にして返す、という不敵な表情だ。

「今までやられた分は利子を付けて返して貰わないとね」
「そうですね。金融業者も真っ青になるくらいの高利子をふっかけましょうか」
「佐藤准将、高木准将。それは言い過ぎじゃ・・・ないですね」
「敵は数が多いさかいな、もう勝った気でおるんとちゃうか?」
「なら帝国軍に戦争をいうヤツを徹底的に教育してやる。それじゃあ・・・行くぞ!」
「「「「了解!!」」」」
 
 それは“第一三艦隊の退(の)き口”と称され、同盟軍だけでなく帝国軍でも激賞される凄まじい撤退戦の始まりを知らせる言葉であった。

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2013/11/01 (Fri) 14:55
銀河探偵伝説(24)

 それは帝国暦四八九(宇宙暦七九八)年七月七日に起こった。
何者かが“新無憂宮(ノイエ・サンスーシー)”に侵入し、皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世を連れ去ったのである。
宮廷警護責任者であるモルト中将から知らせを受けた憲兵総監ケスラー大将は、宇宙港の閉鎖、市街から郊外へ通じる幹線道路の検問、憲兵隊の出動などを次々と指示し、ラインハルトに“幼帝誘拐”の報を入れた。
 ケスラーからの報告を受けたラインハルトは、自分の前に立つオーベルシュタイン上級大将と会話を交わしている。他者が聞けば息を呑むであろう重要な会話は、寧(むし)ろ淡々と交わされた。

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テーマ : 名探偵コナン - ジャンル : アニメ・コミック

2013/10/01 (Tue) 09:11
銀河探偵伝説(23)

「オレたちには、時間がない」

 蘭に新一は説明する。
ラインハルトがイゼルローン回廊の制圧が未だに完遂出来ていない、と、知った以上、膨大な兵力の増援軍を派遣するのは必至である。
少数の兵力であれば、結果として、兵力の逐次投入、と、いう愚を犯す事になるが、あの戦争の天才がそのような事をする事はない。
もし、敵の増援が来るまでに、イゼルローン周辺宙域を回復していなければ、新一の勝算はゼロに近くなるだろう。蘭が新一に尋ねた。

「これまでは時間が味方してくれたけど、これからはそうじゃないという事ですか?閣下が敵の指揮官なら、既にイゼルローンを陥落させていたでしょうね?」
「オレだったら、要塞に要塞をぶつけてたさ。これで両者共倒れ。後は他の要塞を引っ張って来るなりすれば良い。もし帝国軍がその策(て)で来たら、対策はなかったんだが、敵の指揮官は発想の転換が出来なかったようだな」
「かなり過激な方法ですね」
「でも、有効だろ?」
「それは認めます」
「さっきも言ったけど、それで既にやられていたら対策なんか存在しないが、これからその策で来る、と、いう事なら、一つだけ方法がある」

 そう語る新一の表情を、蘭は、推理小説の推理を解き明かしていく少年のようだ、と、思う。子供の頃から少しも変わらない不敵な笑みを浮かべ、瞳には知性を感じさせる光が帯びている。
不敵な表情とは裏腹に新一の心は重い。帝国軍の指揮官は、移動させてきた要塞を、イゼルローン要塞攻略の拠点としてしか活用していないようだ。それは弱体化した同盟軍にとっては好運であろう。
 人材の枯渇は同盟軍に於いては深刻だ。アムリッツァにて散った二〇〇〇万の将兵、先年のクーデターに参加した将兵―――結局、一昨年来、新一はその敗戦処理をし続けているに等しい。
ウランフやボロディンといった、アムリッツァで戦没した勇将たちの一人でも健在であれば、新一の負担はかなり軽減したであろう。だが、それは無益な空想である事を彼は知っていた。死者は絶対に蘇らないのだ。この世の事は生者だけで解決しなければならないのだから。



 一方、帝国軍は困難な状況の中で、執るべき方針を決定していた。ケンプの方針は次のようなものだった。
まず、イゼルローン要塞前面より急速撤退する。それを要塞内の同盟軍が見たら、救援が来たために帝国軍が後退した、と、考え、この機を逃さず挟撃に出ようとして要塞から出撃するところを反転して叩く。
すると同盟軍は、救援軍の到着は自分たちを要塞から誘い出す罠だった、と、思って再び要塞内に引き篭もるであろう。こうして彼等を要塞内に封じ込めておいて再反転し、救援に駆けつけた同盟軍を撃破する。時差(タイムラグ)をつけての各個撃破戦法である。
 その案を提示された時、見事だ、と、ミュラーは思ったが、不安も禁じ得なかった。この作戦が成功すれば、用兵の芸術家、と、ケンプは称揚される事になるだろうが、此方の思惑通りに敵が踊ってくれるかどうか。
技巧的で、しかも時間的に余裕のない作戦であり、一歩間違えれば挟撃される事になる。各個撃破の方針は正しいと思われるから、ガイエスブルグ要塞をイゼルローン要塞の監視に置いておき、全艦隊をもって、敵救援軍を叩くべきではないか。
 そう考えたミュラーは、ケンプにその旨を具申した。幾つかの事情から、この行動には多少の勇気を必要としたのだが、ケンプは度量を示し、ミュラーの考えを一部取り入れて作戦に多少の修正を加えた。

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テーマ : 名探偵コナン - ジャンル : アニメ・コミック

2013/09/01 (Sun) 22:13
銀河探偵伝説(22)

 この苛烈極める主砲発射の応酬が、要塞同士の戦いの第一幕だった。
双方とも、甚大な被害と、それ以上に甚大な心理的衝撃を受け、互いに主砲を使用する事に怯みを覚えてしまったのである。
撃てば撃ち返される、共倒れになる―――彼等の目的は勝つ事であって、心中する事でない以上、別の方法を見つけ出す必要があった。 

「次はどの策(て)で、来るかしら?」

 志保が疲労した顔で幕僚たちを見渡すと、探が答える。

「まず艦隊を出撃させて艦隊戦を挑むという方法もありますが、可能性は低いでしょう。下手に艦隊を動かせば、主砲の餌食になるだけです」
「すると?」
「現在、電磁波と妨害電波が要塞周辺宙域に充満しています。通信も索敵も光学的なものに頼るしかありません。この間隙をぬって、揚陸艦で歩兵部隊を送り込んで、潜入または破壊工作を行う事が考えられます」
「防御指揮官はどうかしら?」

 指名された真は、湯呑みに入っていた緑茶を飲み干した。

「参謀長のご意見はもっともですが、付け加えて言うなら、敵が出て来るのを待つ必要はありません。こちらも同じ策で仕掛けるのも良いでしょう」
「メルカッツ提督のご意見は?」

 志保の言葉に、メルカッツ自身よりもシュナイダー大尉が目を輝かせた時、緊急通信のベルが鳴った。彼女は受話器を取り上げ、二言三言の会話の後、真を見やった。

「第二四砲塔から、同砲塔付近に帝国軍の歩兵部隊が降下を開始している。砲塔の死角になっていて砲撃が出来ない、との連絡よ。京極少将、お願いするわ」
「敵も打つ策が早いですね」

 感歎を交えた声を出すと、真は赤井秀一中佐を呼んだ。彼は真が将官に昇進した後、勇名高い“薔薇の騎士(ローゼンリッター)”連隊の指揮官になった男である。

「大至急、白兵戦の準備をお願いします。私が直接指揮を執ります」

 そう命じながら、真は早足で中央指令部から出ようとしている。

「防御指揮官が自ら白兵戦に参加する必要はないでしょう。指令室にいたらどうなの?」

 志保の声に、真は肩越しの返答を投げただけである。

「少し身体を動かしてくるだけです。すぐ戻りますから安心して下さい」

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2013/08/01 (Thu) 13:03
銀河探偵伝説(21)

 自由惑星同盟の首都ハイネセンでは、武器無き戦いが火花を散らしていた。
新一は査問会を相手取っており、彼の副官である蘭と警護役の真純の行動はトリューニヒト政権を敵に回しつつあった。
最初、蘭たちはベイ少将との面会を求めた。彼としては会いたくなかったのだが、止むを得ず面会を許可した。

「工藤提督の副官として、上司との面会を求めます。提督は何処においでですか?」

 それが蘭の最初の言葉だった。有無を言わさぬ言葉の力と眼光の鋭さに、ベイは僅かにたじろいた。

「そ、それは国家の最高機密だ。面会は許可出来ないし、提督の場所も教えられない」
「分かりました。査問会とは、非公式の精神的拷問を指して言うのですね」
「毛利少佐、言葉を慎みたまえ」
「違うと仰有るのであれば、査問会の公開、弁護人の同席、及び被査問者との面会を求めます」

 言葉の応酬が幾度か続いたが、段々と旗色が悪くなっていく事をベイは感じた。蘭もそうだが、真純も蘭に負けないくらいの目つきで自分を睨み付けているのだから当然である。

「と、とにかくだ。君たちの意見には答えられない!」

 居丈高な口調で大声を出したベイであったが、そんな事で怯む蘭ではない。

「では、国民的英雄である工藤提督を一部の政府高官が、非合法かつ恣意的に精神的私刑にかけた、と、報道機関に知らせて良いのですね?」
「そ、そんな事をしたら、君自身が国家機密保護法違反によって、軍法会議にかけられる事になるぞ?」

 元々、国家機密保護法には査問会なるものは存在しない。その内情を公開したとしても法律違反にはならないのだ。
それを知っている蘭はベイ―――と、言うより、査問員たち―――に、脅しをかけたのだ。

「よく分かりました。この件については可能な限り、こちらも相応の対応を取らせて頂きます」

 何事か恨み言的な事を呟く男を無視して、蘭と真純はその場を後にしが、ベイが懐から携帯端末を取り出して誰かと話している事には気付かなかった。

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