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プロフィール

槇野知宏

Author:槇野知宏
宮崎県児湯郡生まれ。
宮崎県児湯郡在住。

「名探偵コナン」
「まじっく快斗」
「BLACK LAGOON」
「艦隊これくしょん」
「ファイアーエムブレム」シリーズ
「ペルソナ」シリーズ
(特に3と4)
「マクロスF」
「パワプロ」シリーズ
「田中芳樹」
「池波正太郎」
「司馬遼太郎」
「有川浩」
「TUBE」
「山本正之」
「NO-PLAN」
「クラシック」
「プロレス」
「中日ドラゴンズ」
を偏愛する会社員
その実態は、単なるオタク。

年を取る毎に深みにハマってますが、これも人生、問題ない、と開き直ってます(笑)

PASSの掛かっている日記(小説)につきましては「PASSについて」をご覧下さいませ。

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2008/02/09 (Sat) 21:20
+100の意見よりも+   by 佐々木 狗牙さま

 扇風機の前に陣取ったなら暑さも何とかしのげるかな、と云う夏の午後。

 夏休みの初日。

お昼にはソーメンを食べて、今は麦茶を片手にのんびりくつろいでいる。

ひんやりした床の上、クッションにもたれて何気なく顔を上げれば、真っ青な空が四角い窓に切り取られていて、青子の目にはどこか窮屈そうに映った。
ゲラゲラと笑う声に意識が引き戻される。雑誌を開く青子のすぐ側では、つい最近まで幼なじみだった恋人がソファに身体を投げ出して、少年マンガを読んでいた。
予定の無い午後は緩やかに過ぎ、ふと目線を飛ばせば、時計の針は午後2時半を指している。このまま無為に過ごすのも勿体ない気がして、

「…どこか出掛ける?」
「んー、そうだなー……」

問を掛けるが、返って来たのはどちらでも良さそうな答えで、それならもう少し休憩していても良いかと思い直す。何となく遊びに来ただけで、急ぐ用事など無いのだから。
再び落とした視線の先には、恋愛に関するアンケート結果の記事が見開きで載っていて、順に目を通す青子の意識を、ひとつの設問が引き寄せた。

「質問5、あなたは浮気をした事が有りますか?」
「へ?」

いきなり声に出して読み上げた青子に、快斗が訝しげな顔を向ける。だがとりあえずはそれを無視する形で、続きを読んでしまう。

「浮気は一度もない48%、浮気した事がある25%、実は一度だけある20%、めちゃくちゃある4%、その他3%」
「青子?」

何が云いたいのかとじろりと見下ろしてくる眼差しを真っ直ぐに見返して、

「快斗は、浮気した事ある?」
「はぁあ?」

思いがけない質問を発した彼女の目は、興味で輝いている。それは恋人が是の答えを返したらどうするのかとか、そんな心配をするなんて考えが頭から無い、純粋な野次馬精神のみの表情で、快斗は一瞬にしてグラグラと悪酔いに似た感覚を味わう事となった。

「青子、オメーな…」
「なに?」

酷く痛むこめかみを手で押さえながら、快斗は声を絞り出す。

「どんなバカでも、そこで頷くヤツは居ねーだろって思わねぇ?」
「あ、そっか!」
「そもそも、オレがイエスっつったらどーすんだよ」
「えっ?快斗浮気してるの?!って云うか、いつ、誰とっ?!!」

雑誌を胸に抱えて身を乗り出す青子の目は半信半疑で、まだ好奇心のほうが勝っている。それを苦く思いつつ、わざと神妙な顔で彼女の問いに答えを返した。

「いつかはヒミツ、誰とかは内緒」
「快斗ぉ?」
「云っとくけど、オレは青子以外のヤツと付き合ったことねーからな。そうなると自動的にオメーが浮気された事になるぜ?」

何か云いたい事は?と、意地の悪い笑みで男は促す。
サディスティックな色を宿すその双眸をひたと見据えていた青子は、やがてふと身体の力を抜いて緩く笑った。

「ウソだよ」
「あ?」

あまりにもキッパリした物云いに、ポーカーフェイスを信条とする男は眉を寄せる。読み取られるようなヘマをやらかした覚えはないのに、彼女のこの自信は一体何を根拠とするものだろうか。
すると青子は真剣な口調で、更にハッキリと言葉を継いだ。

「だって快斗、浮気なんてしないもん」
「……あのなぁ」

信用されている事実は嬉しいが、どこか侘しい気にもなる。
男を信用するもんじゃないと、分別くさい台詞を嘆息に乗せて云おうとした快斗に、青子はなぜか諦めたように笑った。

「だって快斗が青子以外の人を好きになるなら、それは絶対浮気とかじゃなくて本気だもん」

これには驚くと同時に、成程と納得した。果たしてそんな人物が存在しうるものかどうかは別にして、自分の性格ならフラフラと中途半端な真似はしないだろう。

「だからね、仕方無いよ」

こぼれた淋しさとは裏腹に、俯かないよう上げた眼差しは真っ直ぐ快斗を射抜いている。
けれどその底に揺れる光は,強がり以外の何物でもなかった。
ふたりの関係が幼なじみから恋人に変わっても虚勢を張り続ける、そんな姿も愛しいけれど、でもその向こうの彼女を手に入れたくて、快斗の笑みは深みをました。

「へぇ?じゃあ青子はオレが他の娘を好きになっても良いってんだ?」
「そ、そんな…っ」
「そんな?」

心底愉しげな瞳に、青子は一度言葉を飲み込む。にやにやと嗤う余裕は口惜しいが、自分はそんな聞き分けの良い人間なんかではないのだから。

「そんなのっ!イヤに決まってるじゃない!!」

叩きつけるように発した本音を、やはり男は笑い出す。しかもマンガを放り出した上でお腹を抱えての大笑とくれば、青子の機嫌も急転直下に落ちると云うもので、

「ホントに性格悪いんだから!そーゆー事ばっかりしてると、いつか青子の方が浮気するんだからねっ」

頬をふくらませ、目一杯しかつめらしい表情を作って見せるのだが、この現状での効果は望むべくもなく、やはり笑ったままの快斗が、それは楽しそうに恋人の目を覗き込んだ。

「へーえ、やってみろよ」
「あのねぇっ」

間近にある恋人の目を逆に睨み返し、抗議する為の拳を作る。そしてわずかな息継ぎのあと開きかけた筈の舌鋒は、抑え込むように距離を詰めた快斗の笑みによって封じ込まれる事となった。

「ただし、他の男に見られても良いってんならな♪」
「何を…んん…っ」

ゼロになったふたりの距離に、投げられる筈だった問いは男の喉へと消え、後生大事に抱えていた雑誌が青子の腕から奪い取られる。そうする事でガラ空きになった胸元に、快斗は遠慮なく手を伸ばした。
奇術師の指は一切の無駄なく動き、長いキスで息の上がった青子がようやく解放された時には、白い肌が顕わになっていた。

「も…うっ、いきなり何すんのよっ、快斗のスケベ!」

慌てて隠そうとする手を掴まえ、華奢な身体をソファの上に引き上げる。形通りの抵抗を難無く抑え込んだ快斗は、柔らかな胸に唇を寄せながら、意地悪く囁いた。

「浮気できねーように、ちゃんと印付けといてやるんだよ」

そして甘い痛みが、青子の肌にいくつも落とされる。
それは、快斗の独占欲の現れ。
暫くは解放してくれないだろう彼に、出掛けるのは夕方になってしまうと少し残念に思いつつ、青子は小さな笑みをこぼした。
意識が飲み込まれる前に見た空の青が色を変えても、この想いはきっと変わらないのだと、そんな夢をみながら……。





 100の意見なんて関係ない。

 大切なのはただひとつ、ぼく達の答え。



  -END-



  作者様あとがき

アンケートのお礼にアンケートネタで、ホンの少しばかり甘いお話をお届けです。
とは云え、どこが甘いねん!とツッコミを入れられれば誤魔化す術も無いような話ですけども。
それにしても、青山キャラと浮気って、対角線上に位置するようなネタですよねー(笑)

それでは、アンケートにご協力くださったあなたに、感謝をこめてvv
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テーマ : 名探偵コナン - ジャンル : アニメ・コミック

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