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槇野知宏

Author:槇野知宏
宮崎県児湯郡生まれ。
宮崎県児湯郡在住。

「名探偵コナン」
「まじっく快斗」
「BLACK LAGOON」
「艦隊これくしょん」
「ファイアーエムブレム」シリーズ
「ペルソナ」シリーズ
(特に3と4)
「マクロスF」
「パワプロ」シリーズ
「田中芳樹」
「池波正太郎」
「司馬遼太郎」
「有川浩」
「TUBE」
「山本正之」
「NO-PLAN」
「クラシック」
「プロレス」
「中日ドラゴンズ」
を偏愛する会社員
その実態は、単なるオタク。

年を取る毎に深みにハマってますが、これも人生、問題ない、と開き直ってます(笑)

PASSの掛かっている日記(小説)につきましては「PASSについて」をご覧下さいませ。

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2011/11/21 (Mon) 11:54
酒と眠りの神に愛されし姫君

 江古田市内にある居酒屋の一室。

「えー、それでは江古田高校三年B組の同窓会を祝しまして・・・かんぱーい!」

桃井さんの声を合図として、卒業して二年ぶりの同窓会は幕を開けた。



「しっかし、黒羽と中森がくっつくのは分かってたけど、やっぱり真っ先に結婚しやがったな」
「同感同感。元から夫婦してんだからさー、今さら夫婦しなくてもいーじゃねーか」

一部の元男子生徒が既に出来上がった口調になって話しているのを僕と黒羽くんは苦笑しながら聞いていたものだ。

「ったく、ピッチが早過ぎんじゃねーのか?」
「全くその通りです。お酒というものは紳士の嗜み程度に飲まないと」

そう言いつつ僕はビール、黒羽くんは日本酒をちびりちびりと飲んでいる。

「結婚に関して言えば、オレは早いとも思ってねーけどな」
「工藤くんより数ヶ月遅い程度でしょう。それにしても高木刑事の結婚式から一月しかたってないのに」

 一年もしないうちに工藤くん、服部くん、京極さん、高木刑事、そして黒羽くんの順で結婚していき、往復の旅費やご祝儀も結構な額になるのだ。

愚痴るくらいなら欠席しろ、と、言われる御仁もいるかと思いますが、紳士たる者は『万難を排してでも、友人の結婚式に参加するものである』と思ってますからね。僕はそれを実行したに過ぎません。

「で、今回の同窓会における主賓たる君の奥様は・・・うっ!?」

何げに青子さんを目で走査しているうちに、とんでもない光景を目にした。
僕の視線の先にいたのは、顔を真っ赤にさせた紅子さんとテンションが異様に高くなっている青子さんの姿。

「中森さぁん、チョットこれダメよ。桃井さんっ、ワインかブランデーあるかしら?」
「紅子ちゃん、青子の名字はく・ろ・ば。快斗のお嫁さんだから名字変わっちゃったんだ」

けたけたと楽しげに笑う二人は既に出来上がっていた。まあ誰が率先して飲ませたのかは分かっているので、詮索は置いておくとしよう。

「黒羽くん。青子さんはアルコールに弱いんですか?」
「ああ。以前、マティーニを中森警部に飲まされた事があったんだけどな・・・そーいう紅子も弱いんじゃねーか?」
「彼女にアルコール類を教えたのは僕ですが、あそこまで弱いとは知らなかったですね」

彼女にアルコール類の嗜み方を教えたのは僕である。もっとも教えると言っても、紅茶にブランデーを入れて飲む、ワインを飲む、と、いう程度だ。
僕とて四六時中、紅子さんについている訳ではなく、彼女や彼女付きの執事さんに近況を聞いて状況を把握する程度でしかない。

「白馬ぁ、オメーも恋人の酒癖の悪さくらい把握しとけよっ」
「僕は君と違って二四時間一緒にいるわけじゃありません。それにあまり大きい声で余計な事を言わないで下さい」
「何言ってやがる。人前で堂々とキスしてたくせに隠す事ねーだろ?」
「あれは黒羽くんと青子さんが覗いてたからでしょう。それに君たちもやっていたではないですか?」
「うっせーな。オメーと紅子の場合、どー見ても、僕たち深い仲です、って、公言してると同じだったぞ?」

その瞬間、黒羽くん以外の男性がこちらに殺意を込めた視線を突き刺してきた。会が始まる前に全員に紅子さんとの結婚を報告したのだが、そのとき以上の殺意がこもっているのは分かる。
佐藤刑事との結婚を目暮警部に報告した高木刑事が一部の刑事を除く捜査一課の男性刑事全員から睨まれた挙げ句、取調室に連行されたという話をつい思い出してしまった。

「はぁくぅばぁ~・・・紅子サマと結婚するという話だけでも許せんのに深い仲だとぉ~」
「貴様、我々のアイドルである紅子サマと・・・万死に値するぞ」

じりじりと近づくむさ苦しい集団から逃れようとした時、僕の背後から身体を預けてきた人物がいた。背中に押し付けられる柔らかい感触―――振り向かなくとも正体は誰かは分かっている。

「どうしたんですか、紅子さん?」

内心の動揺を押し殺し、努めて冷静を装って背後の人物に尋ねると、彼女は細い指で僕の背中に「の」の字を描きながら答えてきたものである。

「少し酔ってしまったみたいですわ、探さん」
「飲むのは構わないですが、適量をわきまえて下さいね」

そう言って酔い覚ましの水を取りに立ち上がろうとしたが、紅子さんがしがみついてきて立ち上がれない。

「紅子さん。申し訳ないのですが離れて頂けませんか?」
「探さんも一緒に飲んでくれないと嫌ですわ!」

速攻で拒否された・・・こうなると梃子でも動かないので、言う事を聞かないといけない。
大袈裟にため息を吐いて彼女が差し出したコップの中身を飲み干すと、まだ彼女がこちらを睨んでいる。

「まだ何かあるんですか?」
「探さんの意地悪っ。何故いつもしているように飲ませてくれないの」

僕に向けていた酔眼を元に戻し、紅子さんはワインを口に含んで僕に口移しで飲ませたのである・・・思えば彼女にはこの方法で飲ませている事が多かった。
会場内を怒りと嫉妬に満ちた空気が充満していくのが分かった。唯一、紅子さんたちにお酒を飲ませた張本人と黒羽くんは何事もなかったかのように会話をしている。

「へえ・・・あの二人、あそこまで進んでたんだ」
「しっかし白馬も紅子に何を教えてるんだか・・・おい青子、起きろ」
「・・・いや。青子、眠いんだもん」
「ありゃりゃ。青子もダウンか・・・我がクラスが誇った美女二名はお酒に弱かったって事ね」
「「あなた(オメー)が飲ませたのが原因でしょう(だろーがっ)」」

僕と黒羽くんの総口撃を受けた桃井さんが首を竦めていたが、周囲の喧噪とは裏腹に紅子さんは僕の首に腕を回したまま、青子さんは夫の身体に寄り掛かるように眠っている。
二人の寝顔は極上の微笑みを浮かべて眠っているのだが、僕と黒羽くんは互いに顔を見合わせて苦笑した後、言葉を交わした。

「さて、これからどうします?」
「ホントだったら叩き起こすとこなんだけど、こういう顔で寝られちゃ起こせねえよな」
「その意見に賛成なのですが、さすがに第三者に見られるのも良い気分じゃありませんね」
「・・・だな」

そう言って二人同時に懐から財布を取り出した。
ふと明日の朝、確実に二日酔いに悩まされるであろう紅子さんの姿が脳裏を過ぎって僕は僅かに笑った。

  
                                                   終わり
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テーマ : まじっく快斗 - ジャンル : アニメ・コミック

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