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プロフィール

槇野知宏

Author:槇野知宏
宮崎県児湯郡生まれ。
宮崎県児湯郡在住。

「名探偵コナン」
「まじっく快斗」
「BLACK LAGOON」
「艦隊これくしょん」
「ファイアーエムブレム」シリーズ
「ペルソナ」シリーズ
(特に3と4)
「マクロスF」
「パワプロ」シリーズ
「田中芳樹」
「池波正太郎」
「司馬遼太郎」
「有川浩」
「TUBE」
「山本正之」
「NO-PLAN」
「クラシック」
「プロレス」
「中日ドラゴンズ」
を偏愛する会社員
その実態は、単なるオタク。

年を取る毎に深みにハマってますが、これも人生、問題ない、と開き直ってます(笑)

PASSの掛かっている日記(小説)につきましては「PASSについて」をご覧下さいませ。

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2011/11/21 (Mon) 13:20
終わらない旅 Never-Ending-Road

Side - WATARU -

「ほお・・・馬子にも衣装、とは、良く言ったものだ」
「全くです。いつも着ている背広の方がまだマシですな」

目の前で松本警視と目暮警部がオレの方を見ながら好き勝手な事を話している。
二人とも結婚式に相応しいスーツに身を包んでいるのだが、目暮警部に至っては愛用のシャッポを被ったままだ。

『警部、式場でシャッポぐらい脱いで下さいよ』

オレとしては即座にツッ込みを入れたいのだが内心だけに留める。

「しかし、君たちから結婚するという話を聞いた時は驚いたぞ」

それはそうだろう。オレと結婚する佐藤さん(いや、美和子さんと呼んだ方が良いだろう)は本庁だけでなく近隣の警察署にもファンがいるという警察きってのアイドル。
付き合って二年、そしてデート帰りの公園でのプロポーズが脳裏に浮かぶ。

「さ、佐藤さん・・・オ、オレと結婚してくださいっ!!!」
「・・・高木くん・・・ううん、渉くん。プロポーズは嬉しいんだけど、もう一回やり直して」
「ど、どーいう事ですか?」
「渉くん。私と結婚したいなら、他人行儀にならず、名前で呼んで」
「分かりました・・・美和子さん、オレと結婚して下さい」
「・・・うん、合格よ。渉ん」

とびっきりの笑顔を見せてくれた美和子さんがネクタイを引っ張るとオレの唇は彼女のそれに触れた。
結構良いムードだったのだが、周りに張り込み(監視ともいう)の同業者九割と、デバガメ二名(由美さんと千葉)がいたのは言うまでもない。


それを思い出す度に顔がニヤけてしまい、上司二人の不審げな視線を浴びる。

「高木、何ニヤけてるんだ?」
「どうせ、今日これからの事を考えてるんじゃないですか?」
「全く、お前は本庁だけでなく近隣警察署の大部分の男性警察官を敵に回しているんだからな」

松本警視の言葉がオレを現実に引き戻した。三ヶ月前に目暮警部に結婚の報告をしたわけだが、世の中良い事尽くめばかりじゃあない。
オレと美和子さんの結婚が本庁内だけでなく近隣の警察署に広まると、どこの警察署に行ってもオレは嫉妬と羨望の視線に晒された。

あの佐藤さんと結婚だなんて、何て羨まし過ぎるヤツだ、分不相応のヤツめ、不幸になってしまえ。 最初の頃は、いい加減にしてくれ、と、思ったものだが、慣れというものは恐ろしいもので、今では何とも思わない。
ま、結婚発表以前の、デート前の儀式・取調室への強制連行&オレのデスク強制捜査、に比べると、嫉妬や羨望のマナザシなどは可愛いものだ。

「「高木刑事、おめでとうございます」」
「やっと春が来ましたね。おめでとうございます、高木刑事」
「これで花の独身生活からオサラバやな。おめでとさん、高木刑事」
「この度はおめでとうございます、高木刑事」

オレの鼓膜に聞き慣れ親しんだ声が響く。声がした方を見やると、年下の友人である工藤くん、服部くん、京極くん、円谷くん、小島くんの五人。

「忙しいところをわざわざ来てくれてありがとう。みんなには感謝してるよ」
「何、水臭いことを言ってるんです。友人の結婚式に出席するのは当然じゃないですか」
「そうですよ、高木刑事。友人の結婚式に出られない不義理はできませんからね」
「しっかし高木刑事、衣装が似合っとらんで?強いて言うならバーテンかホテルのフロント係ってとこやな」

丈の短い黒の上下、白いワイシャツに白の蝶ネクタイ・・・蝶ネクタイが黒色だったら間違えられる事は必至だろう。
実際、衣装を着て、鏡を見たオレがそう思ったのだから間違いない。

「なあ光彦、バッテンって何だ?」
「バッテン、じゃなくて、バーテン、です、元太くん。喫茶店やスナックのカウンター内で、お客さんに飲み物を作って出す人のことですよ」

友人たちの会話を聞いていると、入り口から白鳥警視が顔を覗かせる。

「工藤くんたち、そろそろ式が始まるので式場に入った方が良いよ・・・目暮警部、仲人が何やってるんですか?」
「おっ、そうだった」

その声を合図にオレと白鳥警視以外の人は慌てて控え室から飛び出して行く。
暫く沈黙が続いたが、それを打ち破ったのは白鳥警視だった。

「・・・高木くん、この度はおめでとう」
「あ、ありがとうございます」

言葉はともかく、この人が素直に現状を受け入れているかどうか疑わしい。何せ、結婚が決まってからもデートや、式の打ち合わせの尾行を指揮していた人だから。

「白鳥警視、何か言いたい事でもあるんですか?」
「ほぉ・・・良く分かったね。この際言っておくけど、佐藤さんを泣かせるような事をするんじゃないよ」
「あいにく、美和子さんを泣かせるような事はオレには出来ません・・・それに彼女の涙は見たくないですから」
「そういう覚悟があるなら僕は何も言えないな・・・まあ、今後とも君たちを監視させてもらうがね」

一瞬、目が点になった。今、確か、今後とも君たちを監視させてもらう、って、言ってたよな?

「し、白鳥警視。それ、どーいう事です?」
「言ったとおりだよ、高木くん。さすがに夫婦生活までは監視しないけどね」

不敵に笑って部屋を出て行く白鳥警視の後を追いながらオレは呟いた。

「結婚後も監視かよ・・・それよりも美和子さん、どうしてるかな?」



Side - MIWAKO -

「美和子、とてもキレイよ。亡くなったお父さんが喜んでると思うわ」

父さんの遺影を胸にしたお母さんが感極まって泣くのを見た私は頭を抱える。そりゃあ渉くんとの結婚が決まってから何度も同じ光景を目にしてればね。

「母さん、泣くのは止めてよ。新郎新婦の挨拶の時に泣くのが相場ってものでしょう?」
「何言ってるの。あなたみたいな男勝りで色気のない三十路の子を嫁にしてくれる高木さんに感謝なさい」

母さん、私は二九よっ!まったく実の娘にそこまで言う必要ないじゃない!!そ、それに渉くんに関しては(ごにょごにょ・・・赤面)
一瞬、彼にプロポーズされた事が脳裏をかすめる。

「さ、佐藤さん・・・オ、オレと結婚してくださいっ!!!」
「・・・高木くん・・・ううん、渉くん。プロポーズは嬉しいんだけど、もう一回やり直して」
「ど、どーいう事ですか?」
「渉くん。私と結婚したいなら、他人行儀にならず、名前で呼んで」
「分かりました・・・美和子さん、オレと結婚して下さい」
「・・・うん、合格よ。渉ん」

無意識のうちに伸びた右手が、彼のネクタイを引っ張ると私の唇は渉くんのそれに触れた。
結構良いムードだったのだが、周りに張り込み(監視ともいう)の同業者九割と、デバガメ二名(由美と千葉くん)がいたのは言うまでもない。

思い出した途端、頬が自然に緩んでしまい、由美にツッ込まれる羽目になる。

「美和子、急に笑い出すなんて・・・はっはあ、さては高木くんにプロポーズされた時の事を考えてたんでしょ?」
「うぐっ・・・そ、それは由美には関係ないでしょ・・・そ、それよりもさ、渉くんこれ見てどう思うかな?」

私が身に付けているのは、純白のドレスにヴェールと花嫁の必需品であるブーケ。
由美のツッ込みから逃れるために話を強引に一八〇度変えた私の質問に対する彼女の返答。

「大丈夫よ。高木くんなら、似合う、って、言うに決まってるでしょ」

その言葉に応じようとした時、派手なクシャミが私の口から飛び出した。

「美和子、風邪でも引いてるの?」
「そんなわけ無いでしょ。誰かが噂してるのよ、きっと」
「どうせ、あなたにフラれた所轄の男性警察官か高木くんファンの女の子が噂してるんじゃないの?」
「高木くんファンの女の子、って、どーいう意味よ?」
「高木くんって、母性本能をくすぐられる、と、いう理由で、所轄の女性警察官から結構人気あったのよねえ」

考えてみれば、本庁内だけでなく近隣警察署に行く度に女性警察官に羨望と嫉妬のマナザシを向けられたけど、そういう事だったんだ。
そこへ控え室の入り口から騒々しい声がしたかと思うと、知り合いの女性軍が姿を現す。
言わずと知れた赤ちゃんを抱いた蘭さん、鈴木さん、遠山さん、そして歩美ちゃんの5人。

「わあ・・・佐藤刑事、きれい」
「ホンマや、すっごい似合っとるで」
「何か全身から色気が漂ってくる感じよね?」
「ありがとう、みんな」
「みんな、お世辞を言ってはダメよ?ホントの事を言わなきゃ」

由美の言葉にこめかみ付近が震えた。それが友達に言うセリフ?そっちがそう言うなら、こっちにも考えがあるわよ。

「佐藤刑事、その手に持ってるのってブーケ?」
「そうよ、歩美ちゃん。これを花嫁から貰った人は、次に結婚できる、って、言われてるの。ブーケトスの時に歩美ちゃんにあげるわ」
「ホント?」

顔を輝かせる歩美ちゃんに対し、由美の顔色が一瞬に変わって私に耳打ちをする。

「ちょ、ちょっと、美和子。そのブーケは私のものでしょ?」
「私のもの、って、決めつけないでよ。それに由美、さっき何て言ったかしら?確か、お世辞がどーとかって聞こえたような気がするんたけど?」
「わ、私がそんな事を言うわけないでしょ。もう私と美和子の仲なんだから、ブーケは私に・・・」

由美も三十路前だから必死なのねえ、と、思っていたら、署内の同僚や後輩が私に詰め寄る。

「「佐藤さん、ブーケは私に下さいっ!」」
「「あなたには彼氏がいるじゃない。私なんか彼氏いない歴20数年なのよっ!!ここは先輩に譲るのが筋ってもんでしょ!!!」」

遂にはブーケを巡って不毛な大論戦が始まってしまった。私の晴れの舞台を何と思ってるのかしらね、ホント。

「そ、それじゃ、私、司会しなきゃいけないから式場に行ってるわ。みんな、行くわよ?」
「「じゃ、佐藤さん。ブーケの件、宜しくお願いしま―す」」

話に火をつけた張本人はそそくさと控室から姿を消し、警察関係者も口々に勝手な事を言いながら由美の後を追う。

「ホント、彼氏いない人のパワーって凄いわねえ」
「ホンマ、園子ちゃんの言う通りやわ」

鈴木さんの言葉に遠山さんが頷く。この二人には立派な彼氏(渉くんだって負けてないわよ)がいるから、このような意見が言えるのだ。

「ごめんね、みんな。騒々しくて」
「良いじゃないですか。祝いの席は楽しいのが一番ですよ」

そう言葉を発したのは蘭さんだったが、抱いていた赤ちゃんを見つめる目は既に母親の目。

「蘭さん、翔くん生んだばかりだから無理に来る必要なかったのに」
「佐藤刑事にはお世話になってるんですから、来るのは当たり前じゃないですか」

穏やかそうに語る蘭さんと彼女を囲む他のみんなに私は言った。

「ま、お世話になるかお世話されるか分からないけど、これからもヨロシクね、みんな」

みんなに言って控室から出ようとしたところへ、歩美ちゃんの声が耳に響く。

「佐藤刑事の歩き方って、現場に向かうみたい」
『私って緊張してる・・・渉くん、どうしてるかな?彼の事だから緊張しまくってるんだろうなぁ』

歩美ちゃんの声を聞いた私は、自分の事を棚上げしながら式場に通じる通路を踏みしめた。



 エピローグ

式場の扉の前で美和子と渉は遭遇した。そして互いの衣装について率直な感想を述べる。

「み、美和子さん、キレイですよ」
「あ、ありがとう。渉くんも似合ってるわよ」
「そ、それはどうも・・・」

過度の緊張から声が震え、扉の向こうにいる招待客のざわめきが緊張感を更に高めた。

「み、美和子さん。何震えてるんですか?」
「そ、それは私のセリフでしょ?渉くんこそ震えてるじゃない」

腕を組んだ時にパートナーから伝わってくる震え。それは二人して緊張している証拠。
瞬間、新婦の右手が新郎の首の後ろを掴んだかと思うと、彼の唇は彼女のそれに塞がれていた。
しばしの沈黙の後、美和子は顔を赤らめつつ小さな声で呟いた。

「渉くん、これで緊張の糸は切れたかな?」
「切れましたけど、もう一回だけ良いですか?」
「もう、渉くんったら。これが最後よ」

再度、合わせられる唇・・・名残惜しげな互いの唇が離れた時、二人の耳に聞き慣れた由美の声が響く。

「さあ、新郎新婦の入場です!心の中でモヤモヤしたしたものを持ってる人も、そうでない人も盛大な拍手でお迎え下さいっ!」

二人と式場を遮っていた扉が開かれ、バックミュージック“結婚行進曲”に負けないくらいの招待客からの拍手と歓声が二人を包み込んだ。

「それじゃ、行きますか?美和子さん」
「うん・・・しっかりエスコートしてね、渉くん」

互いに頷いて、ゆっくりと足を踏み出すのは、新しき未来と幸せへの第1歩。



終わり
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テーマ : 名探偵コナン - ジャンル : アニメ・コミック

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